未来学

20世紀後半の科学技術の発達にはめざましいものがありましたが、この急速な科学技術の発達は人間環境、社会構造を大きく変貌させていきました。その結果、我々の周囲には、こうした急速な環境変化に適応することができず、変化を人間の幸福にとって望ましい方向にコントロールすることができないことから生ずる様々な社会病理現象が氾濫しています。こうした事態に対処していくためには、未来に対する社会的構想力を創造的に開発していかなけれぱなりません。このような背景から、特に1960年代以降、高度産業社会を中心として、未来の社会と人間に関する知的、実際的関心が高まり、その中から未来社会の予測、計面、設計についての諸科学の協力、統合を目指す動きが活発化してきました。そこには、従来から未来間題と関わりの深かった経済予測、経済計画、都市計画、技術開発、経営計画、社会変動論、文化人類学的未来論などからの研究成果と方法論が流れ込み、しだいに未来学と呼ばれる共同研究領域を形成してきました。近年では環境問題への生態学的アプローチと結合した未来研究、余暇間題の研究、教育の将来、国家目標と生きがいにかかわる価値論の領城の問題などから、予測、計画に関する様々な手法の開発など、未来学は一層の深化と拡大を示しつつあります。産業社会が大きな転換期を迎えている今日、未来を考えることは現代人に課せられた基本的謀題であるといえます。

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