高度選択社会

豊かさと余暇の増大、交通・通信手段の発達などの結果、国民の選択の自由度はしだいに増大しつつあります。消費財の選択にせよ、余暇の利用形態にせよ、人々は各人の考え方や趣味嗜好にしたがって多様な選択を享受するようになってきています。自由な社会とは、選択肢の多い社会、つまりある欲求を実現するのに多様なチャンネルがあるような社会でなければなりません。チャンネルがひとつしかない社会は画一性の支配する社会です。このような選択の自由度のより大さい社会へ向かっての現代社会の情勢を積極的的にとらえ、高度選択の実現に力点をおいて構想されている未来社会論の一つが、この高度選択社会マルチチャンネルソサエティです。この用語は科学技術と経済の会の未来部会グル一プが用いて、国際会議などの場をも通じて広く一般化してきたものです。またこの考え方がらすれば、マルチチャンネルソサエティの人間と価値観は、同様にマルチチャンネル人間でなけれはなりません。つまり多様な価値を包含できるものでなければなりません。