宇宙船地球号
人間の地球に関するイメージ、あるいは地球観は歴史上、幾度かの大きな転換を経験してきました。現在、人類は16世紀の天動説から地動説への転換にも匹敵する、第二のコペルニクス的転換の時期を迎えています。この転換を通して生まれつつある新しい地球観を象徴する言葉が宇宙船地球号です。この言葉は経済学者のK・E・ボールディング、B・ウォード、生態学者のR・デュボス、哲学者のB・フラーらによって広く一般化されるに至りました。この新しい地球観の形成を促した背景には、宇宙時代の開幕、交通・運信の発達による地球の縮小化、環境、公害問題への関心の高まり、などがあります。地球は無限の空間ではなく、有限なものであり、それゆえにちょうど宇宙船の中で宇宙飛行士達が有限な資源を循環して利用しているように、新しい循環のシステムを工夫しなければなりません。こうした宇宙船としての地球という観念がこの言葉の意味するものなのです。

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